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2025年3月7日、風営法改正案が閣議決定
2025年3月7日、悪質ホストクラブ対策を主眼とする風営法改正案が閣議決定されましたが、その内容を分析したところ、ホストクラブにとどまらず風俗営業全般の法的リスクに影響があり、とりわけ大手パチンコ店経営企業においてはリスク環境が激変することが予想されることが判明しました。
改正法は、不許可事由の追加の部分をのぞき、公布の日から起算して一月を経過した日から施行するとのことです。
以下で公開されている関連資料を基に分析した結果を公開できる範囲に限りこちらで掲載しました。
コンプライアンス上の問題がある部分はあえて省略しております。
また、リスク対策については別途関係先に提供する予定です。
- この資料の作成時点では風営法改正案は国会で可決成立しておらず、関係規則等の内容も不明です。
- この資料は警察庁が以下で公開した資料をもとに短時間で分析したもので、一部誤認している可能性があることをご承知おきください。
- パチンコ店経営への影響が薄い部分には触れていません。
- 詳しくは上記の警察庁サイトの資料でご確認ください。
☆このリスクがわからない人はホストクラブ営業に関わるな!
2025年風営法改正案の接待飲食店の営業関連部分のみ解説
https://note.com/cozylaw/n/nf5cd35944a95
悪質ホストクラブ対策として風営法改正
- 接待飲食営業に係る遵守事項等の追加
- いわゆるスカウトバックに係る禁止規定の整備
- 無許可営業等に対する罰則の強化
- 風俗営業の許可に係る不許可事由の追加
※ホール経営に影響するのは「3」と「4」
ホール経営に影響が大きい部分のうち「3」を解説


罰金3億円もありうる!?
第五十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げ規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する
一 第四十九条 三億円以下の罰金刑
二 第五十条、第五十一条第一項又は第五十三条から前条まで各本条の罰金刑
2 前項の規定により第四十九条の違反行為につき法人又は人に金刑を科する場合における時効の期間は、同条の罪についての時効の期間による。
※49条違反⇒無許可営業・名義貸し・営業停止違反など
ホール経営に影響が大きい部分のうち「4」を解説




2025年風営法改正におけるホール経営上の最大の注意点
◎許可証返納等による行政処分回避が不可能に
多数店舗を保有する悪質風俗営業店は、許可取消しに相当する法令違反(いわゆるA量定違反)が発生した際、当該摘発店舗の許可を返納することで行政処分を回避してしまうことが問題視されていました。
今回の改正ではそういった問題点を有識者検討会から指摘されたことから、法人による行政処分逃れを事実上阻止する規定となりました。
◎営業再開が不能に
風営法改正前では、風俗営業を経営する法人が行政処分を受けて身分欠格事由に該当しても、子会社に許可を取らせて営業を再開することができましたが、改正後はそれができなくなります。
身分欠格事由に該当すると、法人とその役員は5年間にわたって風俗営業に関われなくなります。
※こういった手法での行政処分回避と営業再開を阻止することが今回の法改正の主たる目的です。
摘発リスクを軽減する方法
A:企業グループとしてリスク分散体制へ移行する
B:社内の情報統制を強化する
①社内で役者(幹部)と観客(一般社員)を明確に区分する
②幹部教育を強化する
C:内部告発対策としての社内の信頼関係の構築
①社員に対する不利益処分はなるべく避ける
②幹部のコミュニケーション能力を強化する
③ハラスメント相談体制の強化により不満やストレスを緩和する

