パチンコ店の受動喫煙規制と2026年健康増進法改正

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パチンコ店の受動喫煙規制のゆくえと健康増進法改正の話
健康増進法の規制強化が議論されていました。
令和7年11月25日以降、厚生労働省で受動喫煙対策専門委員会が開催されてきました。
関係資料は厚労省の以下のサイトをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65976.html
健康増進法の受動喫煙に関する経過措置について、パチンコ店ほか風俗営業者等にとって規制強化となる措置が取られる可能性が高いと思われましたが、2026年7月9日の受動喫煙対策専門委員会において「引き続き経過措置を継続する方針等」が明らかになったとの業界団体からの通知がありました。
加熱式タバコの経過措置はさらに継続するとのことですが、経過措置であることには変わりありません。
以下はパチンコ店営業の風営法関係手続と法務アドバイスを行う者としての今の認識を整理する目的の備忘録です。
今後の関連情報の増加とともに適宜修正して参りますこと、ご容赦ください。
兵庫県ではパチンコ店内が喫煙禁止
兵庫県においては、県民の健康の維持増進を図るため、とりわけ20歳未満の者及び妊婦を受動喫煙から守る観点を強化することを中心に条例を改正し、令和2年4月1日から全面施行されました。
麻雀店、パチンコ店等風営法に準拠する施設では、建物内のすべてを禁煙(喫煙室設置は可能)となっています。
横浜市では2027年1月から市内全域での路上喫煙を禁止する予定
朝日新聞:路上喫煙禁止、横浜市全域に 園芸博向け検討 27年1月施行めざす
https://www.asahi.com/articles/ASTD436QPTD4ULOB00MM.html
路上喫煙を禁止する代わりに喫煙所の整備を進めることになりますが、密閉された喫煙所を確保するのだそうで、だったらホール施設内に設置させて補助金を出したらどうかと思いますが、どうなるのでしょう。
札幌市が加熱式タバコも規制
札幌市が喫煙制限区域を拡大 ススキノと大通公園全域も
現在は規制されていない加熱式たばこも規制対象に加える方針です。
とのことです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ded910f5726d01db5ed366ee168c9eb3314831d
加熱式タバコは有害性が低いのだと思っていましたが、徐々に規制対象になってゆくとすると、今後のことが気になります。
パチンコ店の受動喫煙防止状況について思うこと
2020年、健康増進法が改正され、多数の者が利用する施設等における喫煙の禁止等が盛り込まれました。
これによってパチンコ店においても店内を原則禁煙とされ、多くのホールで喫煙専用室が設置されました。
その後、遊技空間を禁煙エリアと加熱式タバコ喫煙可能エリア(加熱式タバコ専用室)に区分するホールが徐々に増加しました。
パチンコ店内の喫煙状況は健康増進法改正を機に劇的に変化し、紙巻タバコを禁煙エリアで喫煙している風景は見られなくなりましたが、それによって遊技客が急激に減少したという話は耳にしていません。
喫煙量が激減したことにより、店内設備のメンテナンスの必要性が低下したという声もあり、健康増進法が健康面以外でも良好な影響を及ぼしていると思われます。
しかし、加熱式タバコも全面禁止となった場合に遊技客がどのくらい残ってくれるかどうかはわかりません。
分煙が形骸化してゆく懸念
健康増進法の趣旨としては、禁煙が原則であり、加熱式タバコ専用室は例外的な存在にすぎないところ、パチンコ店では加熱式タバコ専用室の面積の割合(禁煙エリアの面積に対する加熱式タバコ喫煙可能エリアの割合)が徐々に大きくなってゆく傾向がありました。
2年ほど前から大型店において、禁煙エリアにスマート遊技機を1台だけ設置して分煙するケースが徐々に目立っていました。
また、分煙のための区画について、改正当初は床から天井付近までを壁等で区画するしっかりしたつくりの区画が多かったところ、最近は島上に天井垂らしパネルを設置するだけの区画が多くなってきました。
「これで分煙の意味があるんでしょうか」という現場の声を耳にすることもあります。
タバコの煙が禁煙エリアに流出しないことが目的であるので、分煙設備の外見だけで問題性を判断することはできませんが、分煙の実態を厳密に計測した場合に、多くのホールが採用している現状の分煙設備で問題なしと言えるかどうかは私にはよくわかりません。
分煙の形骸化が徐々に強まっていく傾向を感じていたので、そろそろ全般的な見直しが必要な時期かもしれないと思っておりましたが、健康増進法の規制強化は見送りとなりました(2027年)。
形骸化はさらに続くと予想していますが、各店舗ごとのご判断でリスク管理していただくことになります。
もはや「法的に何が正しいか」ではなく、皆様の「思い込み」や「心理状況」次第であると考えております。
パチンコ店特有の問題点
風俗営業においては店内設備の変更に際して構造設備基準を維持し、必要な手続きを行うことが義務となっています。
この記事では主にパチンコ店を前提としておりますが、パチンコ店の場合でも分煙区画の設置又は変更等が変更届出や変更承認申請の必要を生むことがあります。
ところが、分煙時の実務上の取り扱いには地域的な温度差があり、分煙について変更の承認が必要となるケースもあります。
構造設備の無承認変更は行政処分の量定においてはA量定に相当し、比較的に重い処罰を受ける恐れがある違反行為です。
構造設備の変更承認が必要な場合では、精密な図面の提出が求められ、警察による実態調査も行われますが、こういった手続きがとても煩雑になりがちであるという意味でホール営業の法務に影響が出る恐れがあります。
今後の議論の方向性によっては加熱式タバコの喫煙が完全に禁止され全面禁煙となる可能性もありえました。
経過措置が継続される(2026年)ということは、「経過措置にすぎないこと」に変わりがなく、再度見直しが検討されることが前提となります。
ホール事業者様においては引き続き受動喫煙対策に関してご注目いただきたいです。
社交飲食店営業の場合
風俗営業の第1号から第3号の営業では客室床面積の制限を受けているため、加熱式タバコ喫煙可能エリアを設置することで構造設備維持義務違反とならないよう注意があるほか、客室の範囲や営業所内の間仕切りの変更について公安委員会の承認を受ける必要が生じる可能性があります。
無承認変更は初犯でも逮捕罰金刑になるケースがありますが、そのあたりのリスクを事業者が認識していない可能性が高いと経験上感じております。
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