東京都カスハラ防止対策奨励金とは

2025年6月30日から東京都は、カスタマー・ハラスメント防止対策推進事業として<企業向け奨励金:40万円>の支給申請の受け付けを開始しました。

全体で10000件を予定されていますが、第一弾(令和7年6月30日(月)~8月8日(金)17時まで )では1000件で締め切りされる見込みです。

以下で支給要件の概要を掲載しておりますので、該当しそうだと思われた方は、さらに詳細を東京都のページでご確認のうえ、支給申請の実施をご判断ください。

このページの情報は判断に必要な情報の一部に過ぎません。

東京都カスハラ対策奨励金支給申請手続き全体の流れ

東京都カスハラ奨励金支給申請手続きの流れ

 

東京都カスタマー・ハラスメント防止対策推進事業:企業向け奨励金

https://www.tokyo-cusharaboushi.jp/

https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/kaizen/ryoritsu/kasuhara/index.html

<以下抜粋>

東京都カスハラ防止対策奨励金の支給要件

前提として、奨励金の申請日時点で次の要件をすべて満たしている事業者が対象となりえます。

  1. 常時雇用する従業員の数が300人以下の企業であること
  2. 都内で事業を営む中小企業等または個人事業主であること
  3. 東京都政策連携団体の指導監督等に関する要綱に規定する東京都政策連携団体、事業協力団体又は東京都が設立した法人でないこと
  4. 中小企業等の場合は都内に本店登記、または支店の事業所があること
  5. 個人事業主の場合は都内税務署へ開業届を提出していること
  6. 都内の事業所で継続的に1年以上事業を行っていること
  7. 都内の事業所で実質的に事業を行っていること
  8. 都税の未納がないこと
  9. 過去5年間に重大な法令違反等がないこと
  10. 民事再生法、会社更生法、破産法に基づく申立・手続中(再生計画等認可後は除く。)、又は私的整理手続中など、 事業の継続性について不確実な状況が存在していないこと

さらに

条例施行日(令和7年4月1日)以降、マニュアルを整備し、実践的なカスハラ防止対策を行った企業等に対し、奨励金を支給します。

◎規模:(3か年で)10,000件  金額:定額40万円
◎主な支給要件
(1)カスハラ防止対策マニュアルの作成
(2)以下①~③いずれかひとつの対象の取組の実施
 ①録音・録画環境の整備 ②AIを活用したシステム等の導入 ③外部人材の活用

(共通要件)カスタマーハラスメント防止対策に関するマニュアル

  1. 令和7年4月1日以降に、カスタマーハラスメント対策に関するマニュアルを作成または改定した
    こと
  2.  ①のカスタマーハラスメント対策に関するマニュアルは、下記の「必須項目」アからキをすべて含
    んだ内容であること
    ※章立てだけのマニュアルは不可
    ※「条例」について言及があること
  3. ①のカスタマーハラスメント対策に関するマニュアルについて、社内に周知したこと

(選択要件)録音・録画環境の整備とは?

取り組み内容

職場(事業を実施する場所)において、カスタマーハラスメント対策のための録音や録画機能のある機器を新たに整備したこと

要件

◆下記のa)からe)すべての要件を満たしていること
a) 令和7年4月1日以降にカスタマーハラスメント対策(以下「カスハラ対策」とい
う。)のために、録音・録画機器を新たに購入またはリース等の契約をしたこと
※契約の場合は契約期間が6か月以上であること
※録音・録画を主とした機器本体の整備であること
b) a)で購入またはリース等の契約をした機器の運用ルールを策定したこと(様式第1
号に記入)
※運用ルールには、盗聴、盗撮を疑われない対策を含むこと
c) 録音・録画環境整備について、社外に周知したこと
d) 録音・録画環境の整備によりカスハラ対策が進んだこと(様式第1号に記入)
e) 都内事業所に録音・録画環境を整備したこと

 

 

(選択要件)AIを活用したシステム等の導入とは?

取り組み内容

職場(事業を実施する場所)において、カスタマーハラスメント対策に資する
AIを活用したシステム等を新たに整備したこと

要件

◆下記のa)からf)すべての要件を満たしていること
a) 令和7年4月1日以降にカスハラ対策のために、AIを活用したシステム等を
新たに購入またはシステムサービス等の契約をしたこと
※契約の場合は契約期間が6か月以上であること
b) a)で整備したAIを活用したシステム等の運用ルールを策定したこと(様式第1号
に記入)
c) AIを活用したシステム等の導入について、社内に周知したこと
d) AIを活用したシステム等の導入により、カスハラ対策が進んだこと(様式第1号に
記入)
e) AIを活用したシステムでカスハラ対策に活用していることが分かること
※導入したシステムについて、「AIが活用されていること」と「カスハラ対策に利用
できること」が、いずれもパンフレットやHP等で記載が確認できること
※パンフレットやHPで確認できない場合には、「AIが活用されていること」と「カ
スハラ対策に利用できること」が分かる資料を提出すること
f) 都内事業所にAIを活用したシステム等を導入したこと

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奨励金の支給要件のうちの「②AIを活用したシステム等の導入」に該当しているのではないかと考えておりますが、申請してみないとわからないので、確認でき次第このページでお知らせいたします。

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(選択要件)外部人材の活用とは?

取り組み内容

カスタマーハラスメント対策を推進するにあたり、社内での課題改善のために外部人材を新たに活用したこと

要件

◆下記のa)からe)すべての要件を満たしていること
a) 令和7年4月1日以降にカスハラ対策のための外部人材と新たに契約したこと
(下記、ア~ウのいずれか1つの契約を確認)
b) a)の外部人材の活用について、社内に周知したこと
c) 外部人材を継続的に活用する場合(ア・ウ)は、運用ルールを策定したこと
d) 外部人材の活用により、カスハラ対策が進んだこと(様式第1号に記入)
e) 都内事業所を対象として外部人材を活用したこと

対象となる主な外部人材の活用

ア 相談対応等の継続的な契約

カスハラ対策の相談対応等に関する外部人材との継続的な契約
※カスハラ対策が含まれる相談対応等に関する契約が分かること
※カスハラ対策に関する相談体制等の構築に外部人材が活用されていること
※契約期間が6か月以上であること

◆カスハラ対策に資する主な外部人材
弁護士、社会保険労務士、中小企業診断士、労働衛生コンサルタント、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント

イ 社内研修等のためのスポット契約

カスハラ対策のための社内研修等に関する外部人材とのスポット契約
※研修講師等とのスポット契約は、自社で主催するカスハラに関連する就業者のケア、接遇や
条例等の研修実施のための契約を想定(申請日時点で研修が実施済であること)
※他社が主催するセミナー参加に関する契約は対象外

◆カスハラ対策に資する主な外部人材

弁護士、社会保険労務士、中小企業診断士、労働衛生コンサルタント、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント

ウ 警備会社との法人契約

カスハラ対策における警備体制を強化するための継続的な契約
※法律上必要な許可・届出等の手続きをしている業者との契約であること
※契約期間が6か月以上であること
※設備や施設だけが警備対象となる契約や家庭向けサービスは対象外

のぞみ総研のカスタマー・ハラスメント対策研修のご案内

のぞみ総研ではカスハラ対策に精通した産業カウンセラーによる企業向けの対策研修を行っております。

東京都奨励金の申請に必要なマニュアル作成・関係する契約書・通知資料・申請書の記載方法等のアドバイスも含めて行います。

※ご注意を!
弊社にお支払いいただく費用等は研修実施の前の先払いとなります。研修を開始したあとは、奨励金が支給されない結果となっても費用等を返還できかねます。

詳しくは弊社までお気軽にお尋ねください。

なるべく以下のお問い合わせフォームからお問合せ願います。
<(_ _)>

お問い合わせフォーム

代表電話:042-701-3010

担当者直通:090-8725-3832

東京都カスハラ防止対策奨励金の支給申請にご興味があるときは

以上の要件に該当し、奨励金に興味がある方は以下の東京都の情報で詳細をご確認ください。

東京都カスタマーハラスメント防止推進事業:企業向け奨励金・募集要項より

募集要項

 

 

東京都カスタマー・ハラスメント防止条例の重要ポイント

カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)

事業者マニュアルのひな形(Word形式)

カスタマー・ハラスメントの禁止

第四条
何人も、あらゆる場において、カスタマー・ハラスメントを行ってはならない。

顧客等の責務

第七条
顧客等は、基本理念にのっとり、カスタマー・ハラスメントに係る問題に対する関心と理解を深めるとともに、就業者に対する言動に必要な注意を払うよう努めなければならない。
2 顧客等は、都が実施するカスタマー・ハラスメント防止施策に協力するよう努めなければならない。

就業者の責務

第八条 就業者は、基本理念にのっとり、顧客等の権利を尊重し、カスタマー・ハラスメントに係る問題に対する関心と理解を深めるとともに、カスタマー・ハラスメントの防止に資する行動をとるよう努めなければならない。
2 就業者は、その業務に関して事業者が実施するカスタマー・ハラスメントの防止に関する取組に協力するよう努めなければならない。

事業者の責務

第九条
事業者は、基本理念にのっとり、カスタマー・ハラスメントの防止に主体的かつ積極的に取り組むとともに、都が実施するカスタマー・ハラスメント防止施策に協力するよう努めなければならない。
2 事業者は、その事業に関して就業者がカスタマー・ハラスメントを受けた場合には、速やかに就業者の安全を確保するとともに、当該行為を行った顧客等に対し、その中止の申入れその他の必要かつ適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
3 事業者は、その事業に関して就業者が顧客等としてカスタマー・ハラスメントを行わないように、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

 

事業者が行うカスハラ防止措置

条例では、「事業者は、顧客等からのカスハラを防止するための措置として、指針に基づき、必要な体制の整備、カスハラを受けた就業者への配慮、カスハラ防止のための手引の作成その他の措置を講ずるよう努めなければならない。」と規定しています。
以下はガイドラインが想定している事業者の措置です。

(1) カスハラ対策の基本方針を明確化し、就業者や外部の人などに周知しましょう

(対応例)
組織のトップが、カスタマー・ハラスメント対策への取組の基本方針等を明確に示したうえで、就業者に周知・啓発し、教育する。
⇒事業者の覚悟が就業者に伝わることで安心感が高まり、積極的に活動しやすくなる!

◎基本方針に定めることの例

  1. カスハラの内容
  2. カスハラは自社にとって重要な問題である
  3. カスハラを放置しない
  4. カスハラから就業者を守る
  5. 就業者の人権を尊重する
  6. 常識の範囲を超えた要求や言動を受けたら、周囲に相談してほしい
  7. カスハラに対し組織として毅然とした対応をする

(2) カスハラを行ってはならない旨の方針の明確化と周知

(対応例)
・立場の弱い取引先等に無理な要求をしない、させないこと、他の事業者の就業者に対してもハラスメントを起こさないとのメッセージを社内で周知する。
・カスハラを行った自社の就業者に対しては、厳正に対処する旨を就業規則等に定め、社内で周知する。
・具体的にカスハラに該当する言動と社内の処分内容を対応させた懲戒処分規定を定めるほか、その判断要素を明らかにする方法が考えられる。

(3)相談窓口の設置

カスハラを受けた就業者が相談できる窓口をあらかじめ決めた上で、就業者へ広く周知する。

(対応例)
・相談窓口の制度を設け、相談担当者を定め、外部機関に相談を委託するなど。

(4) 適切な相談対応が実施できるようにする

相談窓口担当者が、就業者から受けた相談内容や状況に応じて、適切に対応できるようにする。

(対応例)
・相談窓口の担当者が相談を受けた場合、その内容や状況に応じて、相談窓口の担当者と人事部門等とが連携を図ることができる仕組みとする。
・相談窓口の担当者が相談を受けた場合、あらかじめ作成した留意点等を記載したマニュアルに基づき対応する。
・相談窓口の担当者に対し、相談を受けた場合の対応についての研修を行う。
・カスハラが発生した現場の事実確認を行い、顧客等への対応方法の検討・実施、就業者へのフォロー等、事案に即した対応を行う。
・研修を実施する場合、相談窓口の対応者が、事業者であらかじめ定めた基準や対応手順を理解し、ケーススタディ等を通して対応例を想定しておくようなものが有効である。
・相談窓口の担当者が就業者から相談を受ける際は、就業者が事業者や職場の上司に不信感を持たないよう、その話に真摯に耳を傾け、詰問にならないように留意し、丁寧に対応することが必要である。就業者から自殺を暗示する言動があった場合、直ちに医療専門家につなぐ等の対応が求められる。

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(5)相談者のプライバシー保護に必要な措置を講じ、それを就業者に周知して相談窓口を安心して利用できるようにする

(対応例)
・相談者やカスハラ行為者等のプライバシー保護のために必要な事項をあらかじめ事業者内のマニュアルに定め、相談窓口の担当者が相談を受けた際には、そのマニュアルに基づき対応し、相談窓口の担当者に必要な研修を行う。
・相談窓口においてプライバシーを保護の措置を講じていることを、社内報、パンフレット、社内ホームページ等の広報又は啓発のための資料等に掲載し、配布等する。

(6)相談を理由とした不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め就業者に周知する

(対応例)
・就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書に、就業者がカスハラの相談等を理由として、解雇等の不利益な取扱いをされない旨を規定し、就業者が安心して相談できるようにするため、社内報、パンフレット、社内ホームページ等で就業者に周知・啓発する。

(7)現場での初期対応の方法や手順の作成

(対応例)
・就業者がカスタマー・ハラスメントを受けた場合の顧客等への対応例をあらかじめ決めておく。
各業界団体でマニュアルをあらかじめ作成しておくことが望ましい。
・対応例を作成する際は、顧客等に対して複数名で対応する、一次対応者に代わって現場監督者が対応するなど、就業者の安全に配慮した内容とする必要がある。
・ただし、小規模事業者等の場合や対応を引き継ぐ管理者がいない場合も想定されるため、現場の就業者のみでも対応可能な基本的な対応方法を周知・教育しておくことが望ましい。

(8)組織内部での連携のための内部手続(報告・相談、指示・助言)の方法や手順の作成

(対応例)
・顧客等からの行為により、法的な手続や、警察や弁護士等との連携が必要な場合は、本社・本部と連携するための、報告が必要な事項、報告する場合の手続を事前に決めておく。
・顧客等の行為が犯罪行為に該当する場合、就業者の安全を確保するため、現場の判断で警察へ通報することをためらわないよう、社内で周知しておく。
・就業者からの相談を受ける相談対応者、相談窓口とは別に、カスハラ対策を推進し取組全体を所管する組織があることが望ましい。
・例えば、本社組織(人事労務部門、カスタマーサービス部門、法務部門など)が中心となって対策推進チームを設け、基本方針や対応方法・手順の作成、教育や周知、再発防止策の検討・実施を取りまとめるという体制を取ることが考えられる。

【参考】カスタマー・ハラスメント対策に関わる内部手続の流れの例

◎大規模企業の場合(従業員100人超)
・カスタマー・ハラスメント対策推進⇒ 本社・本部(人事部など)
・相談対応者⇒ 社内のハラスメント相談窓口、外部委託など
・現場監督者 ⇒ 就業者の上司(店舗におけるマネージャーなど)

◎中規模・中小規模の企業の場合(従業員6~100人)
・カスハラ対策推進⇒本部(経営者、人事部門責任者など)
・相談対応者・現場監督者 ⇒ 就業者の上司(店舗におけるマネージャーなど)

◎小規模企業の場合(従業員5人以下)
カスハラ対策推進・相談対応者・現場監督者⇒ 経営者など
※小規模企業の場合は、経営者等が、カスハラ対策推進(手引の作成や再発防止の検討)と 相談窓口、現場監督者の役割を兼ねる可能性がある。

(9)カスハラの事実関係の正確な確認と事案への対応

(対応例)
・カスハラに該当するか否かについて、顧客等や就業者からの情報を基に、確かな証拠・証言に基づいて、その事実を確認する。
・顧客等が他の事業者が雇用する就業者である場合には、必要に応じて、他の事業者に事実関係の確認への協力を求めることも含まれる。
・事実に基づき、商品の瑕疵やサービスの過失等がある場合は顧客等に謝罪し、商品の 交換・返金等、適切な対応を行う。瑕疵や過失がない場合は要求に応じない。
・瑕疵や過失がないにもかかわらず、顧客等からの不当な要求が続いた場合は、接客の中止や商品やサービスの提供の拒否も含めた対応を行う。
・建物や敷地内で顧客等による著しい迷惑行為の事実が認められた場合、施設管理権(民 法第 206 条)に基づき、顧客等に対して施設外への退去を命じる。
・出入り禁止となった顧客等が再び来訪した場合、同様に施設外への退去を命じる。
・顧客等が退去に応じない場合、不退去罪(刑法第 130 条後段)が成立し得る旨を伝えた上で、弁護士や警察と連携を取りながら、適切な対応を行う。

・事実関係の確認の際は、カスハラを受けたとの相談があった就業者の心身の状況や受け止め方等にも配慮し、本人の意向に沿いながら丁寧かつ慎重に対 応する。
・その際、カスハラを受けた当時の状況が録音・録画されたものを相談者とともに確認すると、より正確に状況を把握することができる。
・その後の対応は、確認した情報を基に決めるが、あらかじめ社内で対応方針・手順を 決めておくことが望ましい。
・顧客等による著しい迷惑行為により、事業者に何らかの損害が発生した場合、事業者から顧客等に対して損害賠償請求をする可能性がある旨、あらかじめ明示しておくこ とが望ましい。

(10)カスハラを受けた就業者の安全を確保する

(対応例)
・顧客等が、暴力行為やセクハラ行為等を行ってくる場合、現場監督者が顧客対応を代わり、就業者を顧客等から引き離す。
・個別の事案に応じて責任ある立場の者から行為者へ帰ってもらう旨を伝える。また、 状況に応じて、顧客等に対して、出入り禁止や商品やサービスの提供を停止する旨を 通告する。
・状況に応じて、弁護士や警察と連携を取りながら顧客等へ対応する。
・正当な理由のない恣意的な退去要請や出入り禁止、商品やサービスの提供の拒否がな いよう、十分留意することが必要である。

(11)カスハラを受けた就業者の精神面及び身体面のケアなどに取り組む

(対応例)
・被害を受けた就業者にメンタルヘルス不調の兆候がある場合、産業医や産業カウンセラー、臨床心理士等の専門家に相談対応を依頼するほか、専門の医療機関への受診を促す。
・定期的にストレスチェックを行い、就業者の状況を確認する。
・就業者が性的な言動等を伴うカスタマー・ハラスメントを受けた際は、同性の担当者が相談対応するなど、被害内容に合わせた配慮が必要である。

(12)カスハラへの具体的な対応について就業者への教育や研修等を実施する。

(対応例)
・経営層に対しては、カスハラが事業に与える影響や優先順位を判断した上での対応が求められることについて、外部講師を招いた研修等を通じて意識改革を図るなど、積極的な取組を促すことが有効である。
・顧客等からの迷惑行為や悪質なクレーム等への具体的な対応について、就業者への教育・研修等を行う必要がある。
・研修は可能な限り就業者全員が受講できるようにし、中途入社の就業者がいることなどを考慮すると、定期的に実施することが望ましい。
・就業者への研修等の一例として以下のようなものが考えられる。

  • (例1)ハラスメント発生後の対応
  • 悪質なクレーム(カスタマー・ハラスメント)とは(定義や該当行為例、正当なクレームとの相違)
  • カスタマー・ハラスメントの判断例(判断基準やその事例)
  • パターン別の対応方法
  • 苦情対応の基本的な流れ
  • 顧客等への接し方のポイント(謝罪、話の聞き方、事実確認の注意点等)
  • 記録の作成方法
  • 各事例における顧客対応での注意点
  • ケーススタディ

(例2)ハラスメント未然防止

  • カスタマー・ハラスメントを発生させないためには(顧客との良好な関係の築き方)
  • 接客対応(言葉遣い、傾聴力等)
  • 利用者目線の顧客サービスについて
  • 社内・外における好事例の紹介

(13)カスハラの再発防止のため、定期的な取組の見直しや改善を行い、継続的に取組を行う

(対応例)
・カスハラに該当する事案が発生した際に、就業者に対して何らかの メッセージ・情報を発信することで情報を共有する。
・実際の事例を活用し、新たな防止策の検討、経営者からのトップメッセージ、顧客等からのクレーム対応マニュアル、研修の見直し・改善等に役立てる。
・衛生委員会(労働安全衛生法)の活用 など、就業者や労働組合等の参画を得つつ、アンケート調査や意見交換等を実施する。
・職場の管理職から現場の就業者への注意喚起、接客対応に関する 研修、e ラーニングを活用した周知のほか、プライバシーに配慮した上で社内会議等 において情報共有することも有効である。

カスハラ防止対策の現実的な注意点

ガイドラインを読むと、思いのほか情報が多いですが、要点は、どんなカスハラトラブルが発生するかを想定して、その予防策、発生後の対応方法を策定し、それを社員に周知して協力を求め、いざというときに備えて訓練するなどしてください。

その一連の取り組みの実施方法を明文化したものが対策マニュアルです。

相談窓口や相談体制は、カスハラのためだけにバラバラの運用してしまうと、かなりの無駄が生じます。
現場のサポートや相談体制は中小企業では統合せざるを得ませんが、その統合を考える余裕がない会社が多く、よく考えないまま形骸化した対策の実行によって、かえって現場のストレスが増えてしまうことを懸念します。

カスハラ対策だけを独立して行うことはお勧めしません。
ハラスメント対策、公益通報対策、従業員の健康サポート等を統合した運用を検討することが理想です。

また、カスハラ対策を実施するにしても、もともと現場でそれなりの対応をしてきたはずです。
これまでの現場の顧客対応を無視して上から一方的に押し付けてしまうと現場の負担が増し、負担も増えてしまいます。
現場の取り組みを整理しつつ、現場の意見を取り入れながら対策を進めることをおすすめします。

東京都のマニュアルサンプルをそのまま使って現場が混乱しないようにご注意ください。

 

FAQ:東京都カスハラ防止対策奨励金に関するFAQ

Q1. 奨励金と助成金の違いは?

A. 助成金や補助金は事業者が特定の目的で支出した金額の一部を助成または補助するものですが、この奨励金は一定の措置を行った事業者に対して一律に支給されます。

Q2. いくら支給されますか?

A. 一律40万円です。

Q3. どんな取組が対象ですか?

A. マニュアル作成は必須要件であり、さらに、録音録画機能等・AIやシステム・外部専門家活用の3つの中から選んで実施ちた場合が対象です。

Q4. 支給申請できる企業の条件は?

A. 東京都内に事業所を持つ中小企業等で、事業者の規模等と取組内容が要件を満たすこと。

Q5. 申請期間はいつまでですか?

A. 東京都の公式サイトで要確認です。第一弾の受け付けは1000件で締め切るようです。

 

FAQについては今後追加してゆきます

まだ未確認の部分が多々ありますので、追って情報を更新します。

 

のぞみ合同事務所